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ものづくり補助金採択の法則 第1回 会社の強み

平成28年度補正予算ものづくり補助金の結果は、申請件数15,547件、採択件数6,157件となり、実に60%の申請が不採択となりました。この比率が高いか低いか、受け取り方はそれぞれ異なるかと思いますが、採択と不採択を分けたポイントが何だったのかについては、多くの方が気になるところではないでしょうか。

 

そこで「ものづくり補助金採択の法則」と題し、過去の成功事例・失敗事例をご紹介しながら、採択を目指す上で押さえるべきポイントを数回に分けてお伝えしていきたいと思います。

 

採択される申請書には共通点があります。それは、しっかりした現状認識に基づく課題設定と目標設定がなされ、実効性のある計画が立てられていることです。普段は全身全霊で会社の経営に取り組んでいらっしゃると思いますが、この機会に皆様の会社の”今と将来”について考えてみられてはいかがでしょうか。

 

 

それでは本題の「ものづくり補助金採択の法則」に入りたいと思います。

第1回目となる今回は、「会社の強み」の書き方について取り上げます。

 

 

<なぜ「会社の強み」が重要なのか>

まず、ものづくり補助金の目的を確認しましょう。ものづくり補助金は、経済産業省の外局である中小企業庁が実施するもので、補助金という名の税金を中小企業に投入しその競争力を高めることで日本経済を強くするのがその目的です。

 

つまり、「資金(補助金)さえ調達できれば更なる発展を遂げられます」、ということを申請書でうまく説明し、「これなら経済発展につながる」と審査員を納得させることができれば、見事採択されるのです。

 

そこで重要になるのが「会社の強み」です。

こんな凄い強みを持つ会社なら間違いなく成長する、この会社の強みをもっと強化したい、と審査員が思ってくれるように、「強み」を上手くアピールすることが採択される申請書の大前提となるのです。

 

 

<書き方のポイント>

それでは、どのように「強み」を表現したら良いのでしょうか。ポイントは①独自性と②客観的評価です。

 

①独自性

他社にはない自社の固有の強みを申請書に書き込みましょう。独自性は、他社との差別化が可能になる競争優位性の源泉です。補助金による設備投資で強みが益々増し、やがては日本経済の発展に貢献する、というストーリーが描けたらベストです。

 

②客観的評価

顧客や取引先からは自社に対する評価が透けて見えてきます。何が彼らを惹きつけ、自社との取引が保たれ、或いは拡大しているのでしょう。どのような顧客と取引があり、どのように評価されているのかを書くことで、客観的にも自社が評価されていることを示すことが出来ます。

 

 

<事例研究>

以上の二点を踏まえ、見事採択された成功事例と残念ながら採択に至らなかった失敗事例の2つを比較しながら、どのような書き方が良かったのか、逆に何が良くなかったのかを検討していきましょう。

 

 

■成功事例(A社)

「当社の強みは~~という理由で競合他社が取り扱えない●●のトータルサービスを提供できることです。○○社や△△社など顧客から・・・という点が評価され、確かな信頼を得ています。」

 

■失敗事例(B社)

「当社の強みは□□の一貫生産によるコスト削減・納期短縮です。XX年間の実績を積み、技術・ノウハウを蓄積してきました。」

 

 

いかがでしょうか。どちらも自社の強みを述べていることに変わりはありませんが、上述の「ものづくり補助金の目的」に鑑みると、大きな違いがあると思いませんか。上で挙げた2つのポイントについて整理してみましょう。

 

■その1.強みの”独自性”

・A社の申請書には「競合他社が取り扱えない」と明記されていて、他社にはない”自社だけ”の技術による競争優位性を有していることが明らかです。

・一方、B社の申請書では「一貫生産によるコスト削減・納期短縮」としか述べられておらず、それが他社に対する差別化につながるのか、あるいは他社でも実践されていることで優位性にはなり得ないのか、判断がつきません。

 

■その2.自社に対する客観的な評価

・A社の申請書には、具体的な顧客名および評価ポイントが挙げられていることで、客観的な視点からも高く評価されていることが伝わってきます。

・一方、B社の申請書には顧客名の記述がなく、歴史がある会社です、という内容に留まっていて、説得力に欠けると言わざるを得ません。何が長年事業を続けることを可能としてきたのかについても書いて頂きたいところです。

 

 

<まとめ>

皆様がものづくり補助金の審査員だとしたら、どのような申請書を採択されるでしょうか。

 

申請書に記述する「会社の強み」は自社が補助金の目的に適うことを示す第一歩となります。自社だけの独自な強みがどのようなもので、それが客観的にどのように評価されているか、この二点を明記し、経済発展に貢献できる会社であるということを審査員に訴えましょう。