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ものづくり補助金採択の法則 第2回 製品の紹介

 

こんにちは。ものづくり補助金採択の法則の第2回は「製品の紹介」がテーマです。

営業活動ではないのに製品紹介が取り上げられることに違和感を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、実はとても重要なのです。

 

<なぜ「製品の紹介」が重要なのか>

第1回の法則でも申し上げましたが、採択の成否を分けるポイントは、審査員の方々が補助金という投資をする価値を見出だせるか否か、ということになります。つまり自社の持つ”価値”を分かりやすく審査員に伝える必要があるのです。これを為すために役立つのが、製品紹介です。

 

製品とは、お客様や社会のニーズに応えたり課題解決に貢献したりする為に、自社の強みを最大限発揮して作り出すものです。そして製品の価値がお客様に認められたとき、その対価としてお客様はお金を支払ってくださいます。つまり製品が売れるということは、独自の価値を提供できる会社であるということの証明であると言えます。

 

どんな製品なのか、なぜ売れているのか、どこが評価されているのか、製品紹介を通じてこうしたポイントを説明することが、自社の持つ強みや価値について審査員に納得してもらうのに役立つ強力な援護射撃になるのです。だから製品紹介が重要なのです。

 

 

<書き方のポイント>

それでは、より効果的な製品紹介をするには、どのような点に注意したら良いのでしょうか。ポイントは3つあります。①会社の強みと関連付けること、②競争優位性を示すこと、そして③写真を掲載することです。

 

①会社の強みとの関連付け

上でも述べたように、自社が持っている強みを裏付けてくれるものが製品であり、製品には自社の強みが何らかの形で活かされています。どのような強みが発揮されているのかが読み手に伝わるように書きましょう。

 

②競争優位性

お客様が製品を購入してくださるのは、当社だけの独自性や優位性を認めていらっしゃるからです。製品が持つ独自性や優位性はどのようなものがあるでしょうか。具体的に述べましょう。

 

③写真

百聞は一見にしかず、いくら丁寧で分かりやすい説明文を書いても、目で見て得られる以上の情報を得てもらうことは難しいでしょう。①や②で述べたポイントが伝わるような製品の写真を載せ、説明に説得力をもたせましょう。

 

 

<事例研究>

以上を踏まえ、採択成功事例と採択失敗事例を比較しながら、どのような書き方が良かったのか、逆に何が良くなかったのかを検討していきましょう。(ここでは写真は省略します)

 

■成功事例(A社)

「○○社向けの●●に使用する▲▲部品です。非常に高い精度(X~Xμm)が要求されると同時に、YY度という高温域での長期連続使用に耐える耐久性が求められます。他社には発注できない部品として、○○社から高い評価を頂いています。」

 

 

■失敗事例(B社)

「○○社に納入している▲▲部品で、精密加工を施してあります。寸法公差はXXμm以内です。顧客からは好評を得ています。」

 

 

どちらも製品を紹介していますが、どちらの説明に説得力があるかは、明らかではないでしょうか。上で挙げたポイントについて整理してみましょう。

 

 

■その1.会社の強みが活かされている

・A社は高精度であることと高耐久性があることを紹介しています。単に精度が高いだけでなく、耐久性についても併記されており、強みがしっかり発揮された製品であることが読み取れます。

・B社も高い加工精度はアピールしています。しかしながら、工作機械の進化が進んでいる今日、高精度加工は必ずしも高いハードルではありません。これに留まらない強みについても言及されていたらより説得的な製品紹介となっていたでしょう。

 

■その2.競争優位性

・A社は、その1でも述べましたが得意なことを2つ紹介しており、それらがかけ合わさることで独自の強みを有していることが伝わってきます。また取引先からの具体的な評価も書き添えることで、さらにその説得力を増しています。

・一方、B社は独自性や競争優位性について言及しておらず、果たしてその技術が特別なものなのか、疑念を抱かれかねない記載内容になっています。取引先に何が評価されているのかも伝わってきません。

 

 

<まとめ>

いかがでしたか。製品紹介は自社の強みをアピールする格好のチャンスであるにも関わらず、ちょっとした書き方の違いで、説得力の度合いがここまで変わってしまうのです。

 

そんな素敵な製品を作っているなんて、ぜひ出資したい、いっそ発注したい、と審査員を虜にするような製品紹介を心がけてみて下さい。自社製品をどのように売り込んでいるか、またどのような点がお客様から好評を頂いているか、普段お客様と直接接している営業スタッフに聞いてみるのも良いかもしれません。

 

最後までお読み下さりありがとうございました。次は第3回となります。楽しみにお待ち下さい。

ものづくり補助金採択の法則 第1回 会社の強み

平成28年度補正予算ものづくり補助金の結果は、申請件数15,547件、採択件数6,157件となり、実に60%の申請が不採択となりました。この比率が高いか低いか、受け取り方はそれぞれ異なるかと思いますが、採択と不採択を分けたポイントが何だったのかについては、多くの方が気になるところではないでしょうか。

 

そこで「ものづくり補助金採択の法則」と題し、過去の成功事例・失敗事例をご紹介しながら、採択を目指す上で押さえるべきポイントを数回に分けてお伝えしていきたいと思います。

 

採択される申請書には共通点があります。それは、しっかりした現状認識に基づく課題設定と目標設定がなされ、実効性のある計画が立てられていることです。普段は全身全霊で会社の経営に取り組んでいらっしゃると思いますが、この機会に皆様の会社の”今と将来”について考えてみられてはいかがでしょうか。

 

 

それでは本題の「ものづくり補助金採択の法則」に入りたいと思います。

第1回目となる今回は、「会社の強み」の書き方について取り上げます。

 

 

<なぜ「会社の強み」が重要なのか>

まず、ものづくり補助金の目的を確認しましょう。ものづくり補助金は、経済産業省の外局である中小企業庁が実施するもので、補助金という名の税金を中小企業に投入しその競争力を高めることで日本経済を強くするのがその目的です。

 

つまり、「資金(補助金)さえ調達できれば更なる発展を遂げられます」、ということを申請書でうまく説明し、「これなら経済発展につながる」と審査員を納得させることができれば、見事採択されるのです。

 

そこで重要になるのが「会社の強み」です。

こんな凄い強みを持つ会社なら間違いなく成長する、この会社の強みをもっと強化したい、と審査員が思ってくれるように、「強み」を上手くアピールすることが採択される申請書の大前提となるのです。

 

 

<書き方のポイント>

それでは、どのように「強み」を表現したら良いのでしょうか。ポイントは①独自性と②客観的評価です。

 

①独自性

他社にはない自社の固有の強みを申請書に書き込みましょう。独自性は、他社との差別化が可能になる競争優位性の源泉です。補助金による設備投資で強みが益々増し、やがては日本経済の発展に貢献する、というストーリーが描けたらベストです。

 

②客観的評価

顧客や取引先からは自社に対する評価が透けて見えてきます。何が彼らを惹きつけ、自社との取引が保たれ、或いは拡大しているのでしょう。どのような顧客と取引があり、どのように評価されているのかを書くことで、客観的にも自社が評価されていることを示すことが出来ます。

 

 

<事例研究>

以上の二点を踏まえ、見事採択された成功事例と残念ながら採択に至らなかった失敗事例の2つを比較しながら、どのような書き方が良かったのか、逆に何が良くなかったのかを検討していきましょう。

 

 

■成功事例(A社)

「当社の強みは~~という理由で競合他社が取り扱えない●●のトータルサービスを提供できることです。○○社や△△社など顧客から・・・という点が評価され、確かな信頼を得ています。」

 

■失敗事例(B社)

「当社の強みは□□の一貫生産によるコスト削減・納期短縮です。XX年間の実績を積み、技術・ノウハウを蓄積してきました。」

 

 

いかがでしょうか。どちらも自社の強みを述べていることに変わりはありませんが、上述の「ものづくり補助金の目的」に鑑みると、大きな違いがあると思いませんか。上で挙げた2つのポイントについて整理してみましょう。

 

■その1.強みの”独自性”

・A社の申請書には「競合他社が取り扱えない」と明記されていて、他社にはない”自社だけ”の技術による競争優位性を有していることが明らかです。

・一方、B社の申請書では「一貫生産によるコスト削減・納期短縮」としか述べられておらず、それが他社に対する差別化につながるのか、あるいは他社でも実践されていることで優位性にはなり得ないのか、判断がつきません。

 

■その2.自社に対する客観的な評価

・A社の申請書には、具体的な顧客名および評価ポイントが挙げられていることで、客観的な視点からも高く評価されていることが伝わってきます。

・一方、B社の申請書には顧客名の記述がなく、歴史がある会社です、という内容に留まっていて、説得力に欠けると言わざるを得ません。何が長年事業を続けることを可能としてきたのかについても書いて頂きたいところです。

 

 

<まとめ>

皆様がものづくり補助金の審査員だとしたら、どのような申請書を採択されるでしょうか。

 

申請書に記述する「会社の強み」は自社が補助金の目的に適うことを示す第一歩となります。自社だけの独自な強みがどのようなもので、それが客観的にどのように評価されているか、この二点を明記し、経済発展に貢献できる会社であるということを審査員に訴えましょう。