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日別アーカイブ2018年3月30日

補助金支援②「初級支援者向けの心得とコツ」

前回は補助金、助成金の種類や趣旨について述べました。今回の主要テーマである「もの補助」の歴史的背景に付いても触れ、スキームの生い立ちや準拠法について解説いたしました。今回からは経験レベル別に、「真に事業者様のお役に立つ」解説を致します。初回は「初級支援者向けの心得とコツ」です。

初級支援者とは「もの補助」を初めて支援される方と、概ね採択1件以下か支援経験が3件以下と思って下さい。中にはロクに勉強もせず初回に採択されて、「もの補助はチョロい」と思われる方も居ます。大きな声では言えませんが審査員はピンキリなので、要件違反にも関わらず「間違って採択された」可能性もあります(後でトラブる)。やはり、何事も基本の習得が大事です。

 

Ⅰ.基本の習得(1)「公募要領はこの様に読め」

いかなる補助金支援の解説/指南/ガイドにも、必ず「公募要領の精読」が謳われていますね?しかし、何も意識せずにただ読み通すだけでは「フ~ン」で終わってしまい、基本の習得からは程遠いです。

初心者には特に読み方が重要で、H28補正を例にそのポイントをまとめます。

(1)公募要領の「与件」には必ず触れる

・診断士の方は2次試験を思い出して下さい、アプローチが似ています。

・公募要領は「与件」であり、当該類型に関する記載事項には漏れなく記述します。

・選択肢が多く該当しそうでも、一杯手を出さずに、選択と集中で充実させる。

(2)読む順序で効率的に

・「もの補助」で最初に読むのは、表紙と表紙裏です。期限や注意事項を頭に入れます。

・特に重要なのは「事業の目的」です。全キーワードを抽出し、申請書に表現します。

・次はP27「審査項目」です。それ以外の「留意点」「留意事項」も読み込みます。

・要件を満足し、必要十分な項目を申請書に反映させれば、採択に近づきます。

(3)選択類型に必須内容をマーキング

・金額が高い類型は難易度が上がります。どの類型を選ぶかは事業者様と良くご相談を。

・応募類型が決まったら、記述に漏れが起こらない様に、対象項目をマーキングする。

・スキーム要件で解らないことが有れば、遠慮せずに事務局に電話で問い合わせる。

(4)数字を意識する

・H28補正の公募要領P5では、補助上限額、補助率、5%以上の賃上げ、倍増、更に1.5倍・・・

注)H28補正の「補助上限の増額要件」の賃上げ等は、煩雑過ぎて廃止予定です。

・P6以降の留意事項は元々重要ですが、P8(5)⑦の数値を守らないとシステム上NGです。

・P20では上から5行目の、付加価値額年率3%、同経常利益1%、さらに9行目の「増大」

⇒数値はプログラムされているので、システム入力した時の要件違反は自動的にアウト!

(5)小さい文字ほど重要

・脚注は「注意事項」なので大事です。特にP55以降【様式2】内の脚注は完全準拠を。

・例えばP57下脚注の「経常利益に営業外収益含まず」「伸び率は直近期末基準」等。

・次頁(3)「過去の国の補助金」は空欄や見込み記述ないとアウトに(丸投げ露呈)。

 

Ⅱ.基本の習得(2)「準拠法他の要件知識」

初心者の場合余り多くを望めないと思われますので、ここでは最も重要な2点を解説します。

(1)革新的サービスの場合

・P27審査項目にもある「中小サービス事業者の生産性向上ガイドライン」+数値目標です。

・P33図中にある10類型で、診断士の誰もが知識を持つので、チェックを多く付けたがります。

・ポイントは中身で、ダントツ競争力の方策でないと通らないので、選択と集中で深く!

(2)ものづくり技術の場合

・「中小ものづくり高度化法」で、技術を知らずとも、P34の12類型をしっかり精読願います。

・記述方法は2次試験と同じ「おうむ返し」で、キーワード引用による要件達成を訴求します。

・ものづくりでは他に、第四次産業革命のIoT、AI、Robotに絡めれば、採択確立が上がります

注)P6の11行目注1.に有るように、「単独の機械の自動化(ロボット)・・・」はNGなので、

複合MC等の導入は明らかに第四次産業革命対象外となります、注意しましょう。

 

Ⅲ.審査員が読み易い「ストーリー」と、「図表」で説明する

審査員の立場で考えて下さい、真っ先に知りたいことは「どんな会社か」でしょう。何を作っているのかも判らないのに、冒頭から「当社の強みは・・・」では良い点がもらえません。加えて、各ページが文字で埋め尽くされておれば、ほとんど「パス」でしょう。小説本では無いのですから、どんなに素晴らしい文章であっても無意味で、評価に値しません。

どうすれば良いかと申しますと、「その1」の補助金による「補助事業」遂行に必要な内容と、「その2」の補助事業を利用して「事業化」する内容を、章立てしてストーリー化することです(ここで「補助事業」と「事業化」の意味を、正確に理解しておきましょう)。以下にストーリーの典型的な例を記します。

その1(補助事業)の章立て(例)

<8~10ページ位 新ビジネスモデル構築 ストーリーを立てる 図表を多く使う>

1)会社概要

・沿革、ビジョン、経営者の想い

・取扱い製品(写真等)、下請け、受注生産等

・強みとなる経営資源(キーワードを必ず)

2)事業の状況

・売上傾向、利益(グラフ等)、赤字要説明

・人材人員計画、賃上げ

3)市場規模とマーケットニーズの変化

・国内の業界動向、市場規模、国内から海外へのシフト

・マーケットニーズ(品質・価格・納期)への変化

4)経営課題

・販路開拓

・納期短縮:受注型での見込み生産

・自社ブランド品開発

・生産革新(×:コストダウン)

5)課題の解決法

・持っている強みと最新設備の相乗効果・・・

・競争力を確保できる強み

6)設備投資の内容

・導入する生産管理システム

・専用ソフトウェアの内容

7)予定する成果

・定量的に

8)補助事業遂行体制

・サプライヤ等外部関係者含め

9)スケジュール

・必ず月次チャートを

10)ものづくり基盤技術(類型)との関係

他、要件があれば追加:賃上げデータ、定量的な生産性向上、等々

その2(補助事業を活かした新事業立上げ)の章立て(例)

<3ページ以上、市場規模、プロモーション、補助事業売上利益計画、根拠等>

1)狙う市場(TPP?)

2)販路開拓(アジア新興国?)販売チャネル

3)販売促進法

4)具体的顧客

5)補助事業の売上利益計画・・・必須!

・顧客名と、単価X数量で売上根拠を。経営革新同様、粗利等利益も記載がベスト。

 

【コラム】「もの補助」審査員

「外部有識者」である審査員は、主に技術士と診断士と各経産局の役人の様です。私が審査員の時には、1件に付き1時間近く費やして、申請書を真剣に読み込んで評価しました。同時期に某先輩の言葉を小耳に挟みましたが、「1件10~15分で十分だ」と言われていた様に記憶しています。この様な審査員相手では、読みにくい申請書は必然的にスコアが下がります。また、評価自体の質は「税金が投入されている」との意識の他に、この様な審査倫理によるバラつきも解かり、驚きました。

 

2018 補助金太郎プロフェッショナル