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月別アーカイブ2月 2018

強みの強化と独自性

ものづくり補助金採択の裏ワザ 第1回<独自性>

<はじめに>

毎年1000億円前後の予算が投入され、約1万社が平均1000万円もの補助金を受け取っている「ものづくり補助金」。高額の設備投資を考えている社長には相変わらず大人気の補助金ですが、採択される申請書のレベルが年々上がり、「特別な強みのない当社では、どう書いても採択は難しいのではないか」というあきらめに似た声も最近は聞かれるようになりました。

 

しかし、「当社はごく普通の中小企業です」と言われる社長でも、補助金を勝ち取っている方が毎年数多くいるのも事実です。いったいどういう申請書を作っているのでしょうか?気になりますね。補助平均額と採択率

そこで申請をあきらめかけている社長向けに、「ものづくり補助金採択の裏ワザ」と題し、よくある失敗事例や成功事例を交えながら、採択を勝ち取るために役立つ考え方やちょっとした工夫を、数回に分けてご紹介していきたいと思います。

<補助金の目的>

本題に入る前に、「ものづくり補助金」の申請書(計画書)はそもそも何を目指して書くべきなのか、確認しておきましょう。目的は、応募者向けに出される『公募要領』に書かれています。それは、『どのように他社と差別化競争力を強化するかを明記した事業計画』を作ることです。くだいて言えば、『補助金で設備を導入できれば<当社の独自性から生まれる他社にはない競争力>をさらに強化できます』というストーリーを語ることです。

 

つまり、<当社の独自性→他社に勝る競争力>のプロセスが核心です。このプロセス全体を<強み>といってもいいでしょう。ひまわりに例えると、日光を浴びて(設備導入で)、大きな花を咲かせる(他社にない競争力をさらに強化する)ことが目標ですが、それには根・茎という土台部分(当社の独自性)がしっかりしている必要があるのです。逆に、独自性に根差していない競争力は長期的には他社と差がつかないため、いくら強調してもほとんどポイントにはならないでしょう。

強みの強化と独自性

 

<事例研究>

以上で、<独自性・競争力・導入設備>の関係と<独自性>の重要性はおおよそご理解いただけたかと思います。では、<独自性>を具体的にどうアピールすればいいのでしょうか?よくある失敗事例と成功事例を見ながら考えてみましょう。

 

<失敗事例>

■失敗事例①

「当社の課題は、老朽化した設備に起因する品質の不安定性と生産性の低さである。設備の導入により品質と生産性の向上を・・」

 

①は、独自性や強みを強く打ち出せないため、つい課題の解消効果にばかり言及してしまう失敗パターンです。課題の解消は<競争力の強化>につながるため重要ですが、<独自性>と結びつかなければ、旧設備と新設備の性能の違いを説明しているだけになりかねません。「他の会社でもそれぐらいの導入効果は出る」と審査員に評価されると、採択される可能性はかなり低くなります。

 

■失敗事例②

「当社の強みは、●●製品に関する高度な加工技術と検査技術を有していることであり、その背景には熟練作業員や高性能加工機の存在がある。設備の導入により・・」

 

 

②は、現在の<競争力(の優位性)>は書けているものの、それを生み出す<当社の独自性>とのつながりが弱く、説得力が弱くなる失敗パターンです。<独自性>の説明ももう少し具体的にしたいところです。実は、現状のアピールすべき強みは、競争力よりむしろ<独自性>です。たとえ現在は独自性を十分活かせず競争力が弱くても(ひまわりの花が咲いてなくとも)、設備を導入すれば独自性が活きて競争力を強化できるなら(花が咲けば)、導入効果は大きいと判断されるからです。

 

<成功事例>

■成功事例①

「当社は、●●製品の顧客が集まる●●という土地で、●十年間もの長きにわたり●●製品の一貫生産にこだわってきました。この地域でそのような会社は当社以外にありません。顧客の△△社には、その一貫生産体制構築の過程で培った●●が高く評価され・・」

 

①は、小さな独自性をいくつか組み合わせて一人前の独自性にしてしまう『裏ワザ』です。「・・は当社が唯一」と言えれば成功です。もちろん、最終的にはその独自性から競争力を開花させる必要がありますが、そのハードルは比較的高くありません。「当社には独自性といえるものはない」とあきらめる前に、自社の持つ価値について多面的に考えてみてはいかがでしょうか。新たな気づきが得られれば、実際の経営にも役立つかもしれません。

 

■成功事例②

「当社が強く意識している競合△△社との比較では、設備導入により当社は下表の通り●項目の強みをさらに強くでき、●項目の弱みをほぼ克服できると考えています。その結果、顧客△△社の『●●取引業者内NO.1』の地位を固めることができると確信しています」

 

②は、ライバル会社と自社を詳細に比較検討する『裏ワザ』です。比較対象を少数のライバル会社に絞り込むことで、独自性のハードルを下げ、当社の強み・弱みを具体的に示し、導入効果に説得力を持たせることができます。総論部分でうまく独自性や競争力をアピールできなくとも、この比較のリアリティは強烈なため、論理の補強に大きく役立ちます。この機会に、改めてライバル会社と自社を冷静に比較分析してみてはいかがでしょうか。

 

<さいごに>

今回は、強みの源泉である<独自性>に焦点を当ててみましたが、参考になりましたでしょうか?時期を改めて、さらに他の重要項目も取り上げる予定です。

ものづくり補助金採択の法則 第1回 会社の強み

平成28年度補正予算ものづくり補助金の結果は、申請件数15,547件、採択件数6,157件となり、実に60%の申請が不採択となりました。この比率が高いか低いか、受け取り方はそれぞれ異なるかと思いますが、採択と不採択を分けたポイントが何だったのかについては、多くの方が気になるところではないでしょうか。

 

そこで「ものづくり補助金採択の法則」と題し、過去の成功事例・失敗事例をご紹介しながら、採択を目指す上で押さえるべきポイントを数回に分けてお伝えしていきたいと思います。

 

採択される申請書には共通点があります。それは、しっかりした現状認識に基づく課題設定と目標設定がなされ、実効性のある計画が立てられていることです。普段は全身全霊で会社の経営に取り組んでいらっしゃると思いますが、この機会に皆様の会社の”今と将来”について考えてみられてはいかがでしょうか。

 

 

それでは本題の「ものづくり補助金採択の法則」に入りたいと思います。

第1回目となる今回は、「会社の強み」の書き方について取り上げます。

 

 

<なぜ「会社の強み」が重要なのか>

まず、ものづくり補助金の目的を確認しましょう。ものづくり補助金は、経済産業省の外局である中小企業庁が実施するもので、補助金という名の税金を中小企業に投入しその競争力を高めることで日本経済を強くするのがその目的です。

 

つまり、「資金(補助金)さえ調達できれば更なる発展を遂げられます」、ということを申請書でうまく説明し、「これなら経済発展につながる」と審査員を納得させることができれば、見事採択されるのです。

 

そこで重要になるのが「会社の強み」です。

こんな凄い強みを持つ会社なら間違いなく成長する、この会社の強みをもっと強化したい、と審査員が思ってくれるように、「強み」を上手くアピールすることが採択される申請書の大前提となるのです。

 

 

<書き方のポイント>

それでは、どのように「強み」を表現したら良いのでしょうか。ポイントは①独自性と②客観的評価です。

 

①独自性

他社にはない自社の固有の強みを申請書に書き込みましょう。独自性は、他社との差別化が可能になる競争優位性の源泉です。補助金による設備投資で強みが益々増し、やがては日本経済の発展に貢献する、というストーリーが描けたらベストです。

 

②客観的評価

顧客や取引先からは自社に対する評価が透けて見えてきます。何が彼らを惹きつけ、自社との取引が保たれ、或いは拡大しているのでしょう。どのような顧客と取引があり、どのように評価されているのかを書くことで、客観的にも自社が評価されていることを示すことが出来ます。

 

 

<事例研究>

以上の二点を踏まえ、見事採択された成功事例と残念ながら採択に至らなかった失敗事例の2つを比較しながら、どのような書き方が良かったのか、逆に何が良くなかったのかを検討していきましょう。

 

 

■成功事例(A社)

「当社の強みは~~という理由で競合他社が取り扱えない●●のトータルサービスを提供できることです。○○社や△△社など顧客から・・・という点が評価され、確かな信頼を得ています。」

 

■失敗事例(B社)

「当社の強みは□□の一貫生産によるコスト削減・納期短縮です。XX年間の実績を積み、技術・ノウハウを蓄積してきました。」

 

 

いかがでしょうか。どちらも自社の強みを述べていることに変わりはありませんが、上述の「ものづくり補助金の目的」に鑑みると、大きな違いがあると思いませんか。上で挙げた2つのポイントについて整理してみましょう。

 

■その1.強みの”独自性”

・A社の申請書には「競合他社が取り扱えない」と明記されていて、他社にはない”自社だけ”の技術による競争優位性を有していることが明らかです。

・一方、B社の申請書では「一貫生産によるコスト削減・納期短縮」としか述べられておらず、それが他社に対する差別化につながるのか、あるいは他社でも実践されていることで優位性にはなり得ないのか、判断がつきません。

 

■その2.自社に対する客観的な評価

・A社の申請書には、具体的な顧客名および評価ポイントが挙げられていることで、客観的な視点からも高く評価されていることが伝わってきます。

・一方、B社の申請書には顧客名の記述がなく、歴史がある会社です、という内容に留まっていて、説得力に欠けると言わざるを得ません。何が長年事業を続けることを可能としてきたのかについても書いて頂きたいところです。

 

 

<まとめ>

皆様がものづくり補助金の審査員だとしたら、どのような申請書を採択されるでしょうか。

 

申請書に記述する「会社の強み」は自社が補助金の目的に適うことを示す第一歩となります。自社だけの独自な強みがどのようなもので、それが客観的にどのように評価されているか、この二点を明記し、経済発展に貢献できる会社であるということを審査員に訴えましょう。

補助金支援①「国の補助金等:種類と趣旨」

補助金支援①「国の補助金等:種類と趣旨」

注)  ここで取り上げる補助金等や準拠法の名称は、簡略化された通称を使用しています。
級イメージ・・・上級:都含む採択5回以上、中級:採択3回以上、初級:採択1回以下か初めて

一言で補助金と言っても、多種多様なものがあります。予算主体により国、都道府県、市区町村に分けられ、対象により1次、2次、3次産業や医療介護、労働、通信、交通、建設等々があります。地域格差も大きく、東京都区内でも区により種類が極端に違います。その点、国の補助金・助成金は機会均等です。

 

以前は補助金情報を探すのに骨が折れましたが、今は中小企業庁のミラサポシステムにより、比較的容易に見つけられます。管轄が中小企業庁ゆえ2次3次産業向けの補助金等が、市区町村別に載っています。以下のURLで確認できますが、予算成立時期により掲載漏れもありますので、ご注意願います。

https://www.mirasapo.jp/subsidy/

 

補助金と助成金の違いをよく聞かれますが、厳密な定義があるわけではありません。国の場合、補助金は競争による合否=採択があり(経済産業省、総務省)、助成金は要件を満たせば受給できる(厚生労働省)のですが、農林水産省(例:減反補助金)と国土交通省(例:耐震補助金)はあいまいな様です。

大事なことは、「お金を受け取れるのは事後」です。事業にはスピードが大事なので、「事前に受け取れる」融資やファンドを、上手く使い分けた資金調達がコンサルの腕です。

 

Ⅰ.国の補助金助成金の種類と狙い

以下で触れる補助金・助成金は国の中小企業向けのものとし、主な種類や趣旨をまず確認しましょう。1月末時点のミラサポでは、省庁別に以下の様になっています。

 

1)中小企業庁:18件

・中小企業活路開拓調査・実現化・・・・・ 連携して実現、組合等が対象、団体中央会管轄

・地域・まちなか商業活性化支援事業・・・所謂、商店街等の「にぎわい」補助金

・新事業創出支援事業・・・・・・・・・・連携による新事業創出、中小機構の管轄

・IT導入補助金・・・・・・・・・・・・ もの補助から分離したIT関係の補助金

・農商工等連携支援事業・・・・・・・・・所謂「六次化補助金」、農水省同様

・ふるさと名物応援事業補助金・・・・・・地域資源活用による地方創生

・革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金・・・所謂「もの補助」で今回の主要テーマ

・商店街集客力向上支援事業・・・・・・・商店街全体のインバウンドやキャッシュレス対応

・災害復興関係・・・・・・・・・・・・・東日本、熊本大震災、水害等の被災者向け

⇒所謂「創業」「小規模持続化」「サポイン」が抜けています。(「省エネ」はエネ庁)

問い合わせると「公募中は掲載。終了後も載せるかは担当官の判断。」とのことでした。

 

2)総務省:1件

・地域経済循環創造事業交付金・・・・・・産学官金連携、地域密着型企業の立上げ

⇒総務省には他に情報通信系の、例えば「情報通信技術利活用事業費補助金」等があります。

3)厚生労働省:16件

⇒所謂「働き方改革」関連の助成金が数多くあります。申請手続は社労士法で制約を受けます。知って置いて頂きたい内容も多い故、一度目を通しておいて下さい。例えば、人材育成教育の受講や短時間勤務制度の制定活用で、助成金が出ます。詳細は省略します。

 

4)経済産業省:3件

・ものづくり中核人材育成事業・・・・・・・・・ものづくりの技術・技能承継が目的

・大人の武者修行・・・・・・・・・・・・・・・後継者育成等で、日本生産性本部が受託

・製造業外国人材受入事業・・・・・・・・・・・在留資格と就労VISA関連の企業内転勤

 

Ⅱ.「もの補助」の基礎知識

補助金として最も良く知られている「もの補助」の基礎知識に付いて述べます。

 

  • 歴史的背景

どうでも良いと思われるかも知れませんが、政策スキームは前例と準拠法をもとに決められますので、生い立ちを知っておくことも大事です。また、国の補助金助成金には、必ず準拠法があります。

「もの補助」は第一次安部内閣で生まれ、民主党政権時代に「事業仕分け」で一旦廃止、第二次安倍内閣で復活した補助金で、国債発行等による補正予算にも関わらず毎年実施されている、禁じ手政策スキームです。(ちなみに、日銀が国債を買うことも禁じ手です)

元々は、ものづくり中小企業を支援する目的で、技術課題が比較的容易な開発とそれに伴う設備投資の一部を補助するものでした(技術難易度の高いものは④上級編サポイン参照)。その後、製造業以外にも展開された事と、当該年のGDP押し上げへの即効性から、設備投資中心と成って現在に至ります。

 

2)戦略立案時に考慮する内容

歴史的背景から製造業では、日本のものづくり政策の原点「ものづくり高度化法」で定義される、12類型を強く意識して支援しましょう。また商業・サービスに付いては、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」に準拠する必要があり、その10類型を意識して戦略を考えましょう。

そして最も重要な準拠法は、公募要領冒頭の「事業の目的」の記載内容から解かる様に「経営強化法」です(知識が必要)。これは「経営革新計画」と同じ準拠法であり、戦略立案への極めて重要なヒントです。

また、人件費の塊であるソフトウェア開発や、主体的に自ら実行せずにアウトソースするIT利活用では、「もの補助」から分離独立した「IT導入補助金」を活用することが推奨されています。これは特にクラウドシステムには有効です。

 

Ⅲ.「もの補助」の趣旨と審査

大企業に比べ経営資源が乏しい中小企業では、新商品新サービスの開発や設備投資への資金調達が容易ではないので、その一部を国が補助して事業化を促進します。そして、収益が出たら(基準以上の儲けが出たら)補助金受給額を上限として国庫納付します。さらに各年度の政策への適合性が図られ、平成28年度補正では経営力向上、中でも生産性向上が主目的と成っていました。

 

公募採択のある補助金の審査は、通常二回行われます。一回目は採択までの相対的評価と交付申請の要件適合性、二度目は補助事業完了後の実績報告と経費の適合性です。二回目の審査に通って初めて補助金を受給できます。経費支出の証憑類(エビデンス)の不足や補助対象外の経費計上で、減額査定されることも頻繁に起こります。補助金は採択以降に結構手間暇が掛かりますので (それ以外の理由もあり、④上級編参照)、交付申請等のタイミングで辞退される事業者様も居られます。

 

従って、一回目の審査も完了していない公募申請は予行演習の様なもので、要件を満足する交付申請により交付決定されてのち、初めて補助事業を開始できます。また、公募申請書の評価は技術士や中小企業診断士他が行いますが、評価の質はピンキリの様です。中には間違って採択されて、交付申請時に大量に修正させられた例も良く見られます。

 

補助金でのご法度は、事業者様はおカネだけを目的にする、支援者は採択さえされれば良い、との考えです。支援に当たっては、事業者様との意思疎通を良く行い、実現性のある計画とし、真に事業者様のためになる様に心掛けて下さい。

 

2018.01.31 補助金太郎プロフェッショナル

今年度補正予算案 参院予算委で可決

29年度補正予算案は本日1日午後、参議院予算委員会で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決されました。補正予算案は、このあと参議院本会議でも採決されて可決・成立する運びです。

今年度の補正予算案は、待機児童の解消に向けて保育所を前倒しで整備する費用や、生産性の向上に取り組む中小企業への補助金、それに、北朝鮮の弾道ミサイルによる攻撃に備える地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム導入の関連費用などが盛り込まれていて、追加の歳出の規模は2兆8964億円です。

 

補正予算案は1日午後、参議院予算委員会で安倍総理大臣とすべての閣僚が出席して締めくくりの質疑が行われたあと採決され、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決されました。

 

補正予算案はこのあと参議院本会議でも採決されることになっていて、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決・成立する運びです。

 

NHKニュース&スポーツ   2月1日15:07